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カテゴリ:法律実務

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弁護士の小峰です。

本日も船橋の弁護士として時事問題を法的に分析したいと思います。

今回のテーマは今話題の人気デュオ「CHAGE and ASKA」のASKA(本名宮崎重明)容疑者(56)が覚せい剤取締法違反(所持)容疑で逮捕・勾留されている件についてです。
 

報道では,ASKA容疑者が容疑を否認したうえで、「暴力団の関係者から『アンナカ』と聞いてもらったものが残っていた。覚醒剤ではなく、アンナカだと思っていた」と供述して,故意を否認していることが分かりました。

アンナカって何だ?と思いますが,「安息香酸ナトリウムカフェイン(通称『アンナカ』)」は、眠気や疲労感を抑えるほか、頭痛の症状を和らげる効果がある薬品だそうですが,これ自体は違法薬物ではありません。

そこで,「アンナカだと思った」という弁解が通用するのでしょうか?

 

ポイント(これだけ読めばOK)①  薬物犯罪における故意は,覚せい剤である旨の明確な認識はなくても,覚せい剤を含む身体に有害で違法な薬物であるという認識で足りる。
② ASKA容疑者は,尿から覚せい剤自体が検出されていること,自宅から覚せい剤10回分程度とMDMAとみられる錠剤が発見されていること,覚せい剤の検査キットも見つかっていること,自宅机上にMDNAの粉及び粉末が付着したドライバーが見つかっていることなどの状況証拠からすると,故意が認定される可能性が高い。
③ ASKAが
アンナカだと認識する十分な証拠を出せれば別だが,ASKAに薬物を手渡した暴力団員を明らかにし,その暴力団員が「私がASKAにアンナカだと偽って覚せい剤を渡しました。」などと証言するわけがなく,弁解は無理だろう。
④ 
もっとも,栩内香澄美容疑者の自宅からは何も出ていないので,栩内容疑者の「ASKAがアンナカだと言うのでアンナカだと信じた」弁解は,ASKAが「アンナカだと栩内容疑者に説明した」という供述を維持する限り,通る可能性がある。


 

覚せい剤取締法違反における故意は?

 

覚せい剤取締法違反で有罪になるためには,

①客観的に,覚せい剤使用した事実

②主観的に,覚せい剤を使用した認識(故意)

を検察官は立証しなければなりません。

 

については,すでにASKA容疑者の尿から覚せい剤が検出されていますので,立証はできるでしょう。

問題はの故意について,ASKA容疑者が否認をしていることです。

 

覚せい剤取締法違反のような薬物事件の場合,故意は,覚せい剤である旨の明確な認識まではなくても,覚せい剤を含む身体に有害で違法な薬物であるという認識で足りるとされています。つまり明確に覚せい剤だという認識はなくても,ぼんやりとやばい薬だという認識だけで足りるのです。

 

ASKAは故意を免れない

 

ただ,ASKA容疑者は「アンナカだと思った」=適法な薬物だと思ったと供述していますので,検察官は,覚せい剤を含む違法な薬物であると認識していたと推認させる様々な間接事実を立証することになります。

 

・自宅から覚せい剤10回分程度とMDMAとみられる錠剤が発見されていること

→アンナカとは別の形状・効能なので,アンナカという適法なものではなく,覚せい剤かもしれないというぼやっとした認識はあったと推認される

・覚せい剤の検査キットも見つかっていること

→アンナカだと思っていたのであれば,こんなキットは所持していない。覚せい剤のような違法薬物だと思っていたからこそこんなキットと持っていた推認される。

・自宅机上にMDNAの粉及び粉末が付着したドライバーが見つかっていること

→アンナカであればドライバーで砕く必要は通常無い。ドライバーで砕いたことから少なくとも適法な薬物ではなく違法な薬物かもしれないという程度の認識はあったはず。

 

これらを総合的に判断すると,覚せい剤を含む違法な薬物であると認識していたと推認されると思います。

 

アンナカであるとの立証不可

仮にASKA容疑者が故意を否認するのであれば,アンナカの調達先の暴力団員の存在を特定して供述し,その暴力団員が法廷に出廷して「ASKA容疑者に渡したのは覚せい剤でしたが,アンナカだと言ってASKAに渡した」と証言してくれないと立証はできないでしょう。でも,暴力団員が出廷するということはその暴力団員が覚せい剤をASKAに譲り渡したことを自供するに等しく,そうすれば逮捕され有罪判決を受けることになります。そんな危険を暴力団員が犯すはずがないですね。ですので,立証は無理でしょう。

 

栩内容疑者は釈放される?

もっとも栩内容疑者は,ASKA容疑者と違って,その自宅から薬物や薬物検査キットが押収されておらず,ASKA容疑者の供述次第では無罪放免となる可能性があります。

つまり,ASKA容疑者が白い粉末を持参して飲ませたが,アンナカだと説明した,と栩内容疑者が証言し,それと同調する証言をASKA容疑者が最後まで矛盾無く供述できれば,栩内容疑者は嫌疑不十分で勾留満期日に釈放される可能性があります。

不合理な弁解の背景には薬物組織の影が

ASKAは初犯であれば有罪でもほぼ確実に執行猶予が付く事案。素直に罪を認め,薬物の入手ルートを含め全容を供述して,情状を良くすることも選択肢としてはありえる。上記のように薬物の認識を否認しても通らない可能性は高い。なぜ不合理ともいえる否認を続けるのであろうか?

薬物の入手ルートに薬物組織が関与している場合,組織が自らを守るために逮捕された薬物使用者に対して弁護士を派遣するケースがあります。ASKAのケースがそうかは分かりませんが,この種事案ではありえる話です。

同一又は別々の弁護士を逮捕勾留されている共犯者に派遣し,事実上の口裏合わせをさせることもありえます。また,各逮捕勾留者から捜査の進捗状況などを確認する狙いもあります。

つまり,ASKAが未だに否認したり,アンナカを使用したと供述したり,
栩内容疑者に対してアンナカとしか説明していないなどと供述していることは,必ずしもASKAの単独の判断ではないこともありえるということです。薬物組織に飲み込まれ,自由な供述もできずにもがき苦しんでいる可能性も0ではありません。


 

【コメント】
私もバンドをやっていますので,
CHAGE and ASKAは大好きなバンドの一つでした。今回の事は,逮捕自体,残念でなりません。ASKAさんには,またいつの日が復活してもらうことを願っています。 

 

 

 

 

 

 

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弁護士の小峰です。

船橋の弁護士として、法律問題について解説します。

今回は、今話題の片山祐輔被告の保釈について、取り消されるか?保釈金は没収されるのか?について解説します。

【更新履歴】
初稿5月19日午後9時42分,最終更新5月27日 

 

ポイント(これだけ読めばOK)①  片山被告がこのまま行方をくらまそうとした場合や実際に真犯人を装ったメールを送ったことが証明された場合は、保釈が取り消される可能性が高い。→【new】20日,取り消された。
② 
保釈が取り消される場合は、保釈金である1000万円について、裁判所の決定によりその全部又は一部が没取される可能性が高い。【new】5月27日までに,東京地裁は600万円の没取を決定した。


パソコン遠隔操作事件のこれまで(報道)

(日刊スポーツ) 

パソコン遠隔操作事件の真犯人を名乗る人物から新たに報道機関などに送られたメールについて、捜査当局は公判中の元会社員片山祐輔被告(32)自身が送信したとみて調べていることが19日、捜査関係者への取材で分かった。

捜査関係者によると、片山被告が埋めたとみられるスマートフォンが東京都内の河川敷で見つかった。解析結果から、捜査当局は、片山被告がメール送信に関与したとの見方を強めている。

東京地検は保釈の取り消しを求めることも検討している。一方、片山被告の弁護側は19日、メールは真犯人からのものだとして、東京地検に公訴取り消しを申し立てた。

主任弁護人は19日、片山被告が午前に胃の検査を受ける予定の病院に姿を見せず、午前10時20分ごろからは電話連絡が取れない状態が続いていることを明らかにした。

 

メールは16日の片山被告の公判中に報道機関などに届いた。これに先立ち、保釈後に河川敷で不審な行動を取る片山被告を捜査員が目撃。被告がいた場所付近の土中からスマートフォンを発見した。メール送信にはタイマー機能などを利用した可能性がある。

「真犯人です。お久しぶりですね」と始まるメールが届いたのは16日午前11時40分ごろ。片山被告のパソコン(PC)を遠隔操作して、PC内の情報をもとに犯人に仕立てる細工をしたと説明していた。

片山被告は公判で「自分も第三者からPCを遠隔操作された被害者だ」と一貫して無罪を主張。片山被告は16日の会見で「(メールの内容は)信ぴょう性は高い。これで裁判を終わりにしてほしい」と訴えていた。

片山被告は、今年3月に保釈された。

 

保釈等の取り消しについて

 

刑事訴訟法は第96条で保釈の取り消しについて定めています。

 

第96条  裁判所は、左の各号の一にあたる場合には、検察官の請求により、又は職権で、決定を以て保釈又は勾留の執行停止を取り消すことができる。

  被告人が、召喚を受け正当な理由がなく出頭しないとき。

  被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

  被告人が罪証を隠滅し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

  被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え若しくは加えようとし、又はこれらの者を畏怖させる行為をしたとき。

  被告人が住居の制限その他裁判所の定めた条件に違反したとき。

 

片山被告のケースでも該当する可能性大

以上の要件を片山被告のケースに当てはめると
 

  被告人が、召喚を受け正当な理由がなく出頭しないとき。

→公判期日(5月22日)に出頭しない場合は該当する。

  被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

→このまま行方がわからず連絡もつかない状態が続く場合、該当する。

  被告人が罪証を隠滅し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

→真犯人を装ったメールを片山被告が送信していた場合は該当する。

  被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え若しくは加えようとし、又はこれらの者を畏怖させる行為をしたとき。

→現時点では該当する情報はない。

  被告人が住居の制限その他裁判所の定めた条件に違反したとき。

→裁判所が指定した住居とは別の場所へ逃げ隠れした場合は該当する。


よって,片山被告のケースでも保釈取り消しが認められる可能性は大きいと言えます。 

→【NEW】5月20日午前11時19分時点の報道では, 東京地裁は保釈取り消しを決定したとのことです。

保釈金は没収されるのか?→600万没取決定

 

保釈が取り消された場合、保釈金については、刑事訴訟法で

 



第96条 2項 
保釈を取り消す場合には、裁判所は、決定で保証金の全部又は一部を没取することができる。
 

 

と規定されています。「没収」(ぼっしゅう)ではなく「没取」(ぼっしゅ。実務では「ぼっとり」と呼ばれることもある。)です。

この点,実務では,保釈取り消しと同時に保釈金の没取も決定されるのが通例です(一通の決定書で保釈取消と保釈金の没取を同時に行う)。ただし,保釈取り消しと没取の決定を別々のタイミングで行うことも法的には可能です。今回の片山被告のケースでは,保釈取り消し決定の後,別のタイミングで没取の決定がなされました。 

 

従って、納付済みの保釈金1000万円のうち、一部又は全部が没取される可能性があります。没取は裁判所の裁量により行われ、納付者の責任の有無や被告人の責任の軽重等によりケースバイケースに決められます。

今回は、自分で第三者になりすましてメールを送信して刑事裁判における真実発見を妨げようとした点、被告人の責任は重いですし、決定が出た段階では未だ被告人自らの口から犯行の自供がなされておりませんので、結構な金額が没取されたと推測されます。 

 

大体この高額の保釈金は,一部報道ではお母さんが出してくれたとのことです。

そうだとすると、保釈取消になり、保釈金は溶け、非常に最悪な事態に陥ってしまいますね・・。


→【new】5月27日までに,東京地裁は600万円の没取を決定しました。
全額没取されなかったのは,保釈金が母親が預金を切り崩して支出したものであることや,片山被告が自ら逃走を中止し,犯罪を自認し,収監にも素直に応じたことが評価されたものと思われます。

なお,今回のケースで無罪を信じて闘ってこられた弁護団の先生方に敬意を表しつつ,弁護士をやっているとこのようなことがありえることを改めて肝に銘じたいと思います。

 

以上、解説でした。

弁護士の小峰です。本日も船橋市の弁護士として解説いたします。

(記事作成2014年5月14日 記事更新5月19日)

本日は、前回に引き続きリベンジポルノの刑事事件についての解説です。
リベンジポルノ問題については、その加害者を特定し、名誉毀損などにより刑事告訴も可能である旨説明しました。
先日、この問題について、実刑判決がなされたとの報道がありましたので紹介いたします。

 

リベンジポルノ実刑 元恋人の画像投稿 名古屋地裁


 元交際相手の女性の裸の画像をインターネットの掲示板に投稿したとして、名誉毀損の罪に問われた蛭田貴雄被告(46)に対し、名古屋地裁(山田亜湖裁判官)は13日までに、懲役10月(求刑懲役1年)の実刑判決を言い渡した。元交際相手の画像などをネット上に流出させる嫌がらせ行為は「リベンジポルノ」と呼ばれ、社会問題化している。

 山田裁判官は判決理由で「ネットへの画像掲載は回収の見込みが乏しく、被害者の精神的苦痛は大きい」と指摘。「女性が離れていき、警察からストーカー扱いされたことに怒りを募らせて犯行に及んでおり、動機は身勝手」と述べた。

 判決によると、蛭田被告は昨年8月、以前交際していた女性の顔や裸を撮影した画像を実名付きでネット掲示板に投稿。不特定多数の人が閲覧できる状態にし、女性の名誉を傷付けた。


8ヶ月とはいえ実刑判決がなされていることは注目に値すると思います。

また,つい最近,リベンジポルノで逮捕者が出ました。


【リベンジポルノで逮捕】

「裸の写真ばらまく」と脅す 愛知県警、容疑の男逮捕

交際していた女性に裸の写真をばらまくと脅したとして、愛知県警豊田署は18日、脅迫の疑いで同県岡崎市井田町、無職佐藤秀憲容疑者(20)を逮捕した。

逮捕容疑では、今月6日午後7時15分ごろ、同県豊田市の無職女性(35)に、携帯電話の無料通信アプリ「LINE(ライン)」を使って女性の裸の写真を送信した上で「ばらまくで」などと書いたメールを送って脅したとされる。

署によると、容疑を認めている。2人は今年1月ごろから交際。別れ話が持ち上がっていたという。女性が署に相談して発覚した。

(中日新聞)


このケースは知人男性によるものであることが明らかですので,犯人の特定については特に問題なく逮捕となりましたね。こういうケースも実際には多いと思われます。


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リベンジポルノ











こんにちは,弁護士の小峰です。

さて,本日も船橋市の弁護士として,法律問題を解説したいと思います。

本日のテーマは【リベンジポルノ】について弁護士の解説をさせていただきます。

「リベンジ」とは「反撃する。仕返し。」などという意味ですが、男女が交際中に撮った相手の裸の画像などを、交際のトラブルの腹いせに、インターネット・SNS上に流出させる新種の嫌がらせのことです。

 

ふられた腹いせに,相手方の恥ずかしい写真などをばらまかれたなどという話は,昔から聞かない話ではありませんでした。それが,現在,非常に大きな社会問題として取り上げられています。その理由は,現在は,昔と違いインターネットを通じて,一瞬にしてプライバシーを侵害するような画像が世の中に拡散してしまい,取り返しのつかない深刻な被害を生んでいるからなのです。

 

被害者はまさかこんな事になるとは思ってもみなかったでしょう。

まさかのリベンジポルノの被害者になった場合のポイントは?


  •  問題となっているWEBページなどについて証拠の確保
  •  画像を掲載している投稿者(元交際相手など)に対して削除するよう求める
  •  インターネット上の画像をサーバの管理者に対して削除することを請求できる
  •  プロバイダへ情報開示請求をして犯人を特定する
  •  犯人に対し損害賠償請求や名誉毀損などで刑事告訴する
  •  時間との勝負となるので,早めに弁護士に相談するべき。

1 問題となるWEBページなどの証拠の確保

まず,インターネット上に問題となる画像が表示されているWEBページを印刷し,データに保存するなどして,証拠化します。今後,弁護士に相談したり,削除の請求や発信者情報の特定を行う上で,証拠が重要な意味を持ちます。やり方が分からない場合は,WEBページの削除などを取り扱う弁護士にすぐに相談しましょう。

2 投稿者(元交際相手など)に対して削除するよう求める

まず,インターネット上に画像を掲載している投稿者が特定出来る場合があります。画像からして,元交際相手しか保有していないはずのものである場合などです。この場合,その元交際相手に対して,文書(内容証明郵便)にて削除をするように求めることが方法としてあります。これによりインターネット上の問題画像が消去され解決する場合もあります。

ただし,客観的に投稿者を特定している訳ではないので,削除を請求した相手方が実際の画像の投稿者ではない場合(本当は投稿しているにもかかわらず,投稿していないと言い張る場合も含む)には解決には繋がりません。また,相手によっては,被害者が削除の請求をする事自体を喜び,請求の文書をインターネット上に開示する場合などがあり,二次被害を誘発する危険があります。
従って,この方法によるべきか,専門家に相談した上で対応した方がよいでしょう。
 

3 サイトの管理者に対する請求

(1) なぜサイトの管理者に?

次にインターネット上の画像をサーバの管理者に対して削除することを請求する方法があります。投稿者が削除に応じない場合であっても,サーバーの管理者が当該情報を削除すれば,情報は表示されません。それゆえ,サーバーの管理者を相手にする方が実際的な場合が多いのです。プロバイダ等に対し、名誉棄損文書を削除するように求めれば、プロバイダの判断により削除してもらうことが期待できます。プロバイダ等が、任意に削除しない場合には、裁判手続(仮処分の申立など)により削除を求めることが考えられます。

(2) WEBフォーム・メールなどによる請求

まず,サーバーの管理者に対して削除等を請求する方法として,WEB上の問い合わせフォームやメールアドレスなどを通じて行う方法があります。
この方法で応じてくれる管理者もあり,コストや手間がかからないというメリットもあります。
ただ,問題となっている情報が削除されると同時に,その投稿に関するアクセスログも削除されてしまう恐れがあります。このアクセスログは,犯人を特定するための重要な情報になりますので,この点については慎重な配慮が必要です。

(3) プロバイダ責任制限法による請求

次に,プロバイダ責任制限法に基づいて削除等をサイトの管理者に対して求める方法があります。プロバイダ責任制限法の運用に関するガイドラインが定められており,書式等もプロバイダ責任制限法関連情報サイトで公開されています。
ガイドラインに沿った請求をすることにより適切な削除対応がなされることもあります。
ただ,1ヶ月程度時間を要する場合が多く,その分,証拠の散逸等のリスクが高まり,特に発信者情報の開示などについて不十分な対応となるリスクがあります。

(4) 裁判所へ仮処分申立

そこで,サイトの管理者等を相手に,情報の削除及び発信者情報の開示を求める仮処分を裁判所へ申し立てる方法があります。
裁判所の決定を得ることができれば削除はもちろん発信者情報の開示もサイトの管理者により対応されるので,一番確実性がある方法になります。
裁判所の決定がでるまで2週間程度かかることが多いですが,確実性という意味では一番です。

4 プロバイダに対する情報開示請求

(1) 画像をサーバーへ経由させたプロバイダが相手

犯人を特定して損害賠償や名誉毀損で刑事告訴するために,発信者の情報の開示をプロバイダへ請求します。このプロバイダは,問題となってい画像をサーバーへ保存させたルートとなっているプロバイダになります。

(2) アクセスログの保存

プロバイダに対して犯人の足跡ともいうべきアクセスログを保存するように求めます。裁判を用いなくても応ずるのであればそれでOKですが,応じない場合は発信者情報消去禁止の仮処分を裁判所へ申し立てます。
このような保存が必要なのは,アクセスログがプロバイダにおいて長期間保存されるものではない為です


(3) 発信者情報開示訴訟

アクセスログを手がかりに,このプロバイダを相手に,情報の削除及び発信者情報の開示を求める仮処分を裁判所へ申し立てる方法があります。
裁判所の判決を得ることができれば,プロバイダは発信者の住所氏名を開示してきます。これにより犯人が特定できることになります。 

5 画像の投稿者を名誉毀損などで刑事告訴する。

(1) 犯人に対する民事上の損害賠償請求

特定された犯人を相手に民事上の損害賠償請求が可能になります。

(2) 名誉毀損などにより刑事告訴

また,恥ずかしい画像を公に公表することは名誉毀損に該当しますので,告訴や被害届を警察署へ提出することができます。犯人の特定情報がなくても被害届や告訴状の提出はできますが,警察は証拠が揃わないとまともに取り扱わないことが往々にしてありますので,上記のとおり証拠を確保した上で刑事告訴等をすることが現実的な場合が多いです。

6 時間との勝負になるので早めに弁護士へ相談!

以上,説明しましたとおり,時間の経過と共に,被害者の方の名誉毀損は拡大し,また,刻一刻と証拠が無くなっていくことになります。従って,リベンジポルノが発覚しましたら,速やかに,弁護士に相談した上で対応した方がよいでしょう。
この案件については,取り扱いができる弁護士は現時点では限られていると思われますので,取り扱いがあるか否かを確認した上で相談された方がよいでしょう。

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雨2










どうも,船橋の弁護士の小峰です。

今日も関東では小雨が降っておりましたが,皆様はいかがお過ごしでしょうか? 私は,例によって午前中は仕事をしていたのですが,午後からはプライベートな時間を過ごしリフレッシュできました。仕事,仕事ではかえって集中力が低下するというものです。たまには息抜きも必要ですよね

 

さて,本日は,「能力不足で解雇できるか?」というテーマについて,前回に引き続き,船橋の法律事務所の弁護士としてコメント致します。

 

例えば,営業社員が目標の数字を達成できていない,PCスキルがない,語学能力がない,などの理由で,「キミは,当社が求めている能力がない。やめてくれないか。いや,もっとシンプルに言おう。クビだ!」などという場面は,ドラマなどでも出てきます。

 

確かに,会社の立場に立てば,会社が求める能力水準に達していない社員は,雇用契約で求められた成果を発揮できていないので,辞めて欲しい,と思うのかもしれません。

 

でも,会社が求める能力が不足を理由に,解雇できるのでしょうか?

 


ポ イ ン ト

①雇用関係の維持ができないといえるような重大な能力不足がなければ解雇することできない

②ジェネラリストとして採用した場合と,スペシャリストとして雇用された場合とでは,能力不足の判断基準が異なる

③ジェネラリストの場合,単なる職務上の能力が不足していることを理由に「能力不足」として解雇することは難しい。

④スペシャリストの場合,期待された能力・技能を発揮できなければ,ジェネラリストの場合以上に,解雇が認められやすい。


 

 解 説 

1 重大な能力不足がなければ解雇出来ない

 

まず,基本的には,雇用関係の維持ができないといえるような重大な能力不足がなければ解雇することはできません。

 

つまり,経営者が「う~ん,ちょっと思ったより出来ない奴だな~。ウチには向いていないかな?」と思ったくらいでは,解雇出来ません。また,例えば重大なミスを犯したなど仮に重大な能力不足と思われる事故が起きたとしても,それ一発でレッドカード(解雇)という訳にはいかないことが多いです。事前に改善指導をするといったワンクッションがないと解雇の有効にはならないのです。

 

2 スペシャリストとジェネラリストではハードルが違う

 

では,「重大な能力不足」か否かは何を基準にするのでしょうか?

 

例えば,新卒の新入社員の場合,今後社会人としての基礎から学びながら,時には失敗し,時には叱られ指導され,徐々に成長し,色々な仕事を経験しながら成長していくことが通常想定されています。

 

その新入社員に対して,既に何年も会社で仕事をしているベテラン社員の能力を基準に,「おめー仕事ができないな!」などというのは無理がありますよね。当然,新入社員としての物差しで能力不足か否かを判断しなければなりません。

 

これに対して,外資系金融機関でバリバリ仕事をしていた管理職の人を,即戦力となることを期待して管理職待遇でヘッドハンティングした場合はどのような判断になるでしょうか?

 

この場合,「中途とはいえ新入社員だから,この会社の仕事にも慣れていないし,そのうち出来ればいいよ!」などという優しい会社は余りないでしょう。当然,早急に結果を出すことが求められます。

 

この場合は,管理職としてバリバリ即戦力として働くことができることが物差しになります。

 

このように,採用した経緯からして,色々な仕事をやりながら成長していくジェネラリストとして雇われたか,即戦力の専門的能力をもつスペシャリストとして雇われたか,によって能力不足か否かの基準は異なるのです。

 

 

3 ジェネラリストとして採用した場合は?

 

単なる職務上の能力が不足していることを理由に「能力不足」として解雇することは難しく,企業経営や運営に現に支障が生じあるいは損害が生ずるおそれがある場合など著しい能力不足であることが客観的に認められる場合にはじめて能力不足と言い得るものと考えます。

 

また,適切な指導や教育をすることや,別の部署に配置転換することで,能力を発揮できることも多くあります。従って,その様なチャンスを与えずに,いきなり解雇をすることは,解雇が無効になります。

 

4 スペシャリストとして採用した場合は?

 

労働者が有する能力,経歴,経験に着目して労働契約を締結した場合に,期待された能力・技能を発揮できなければ,一般の新卒労働者以上に,解雇が認められやすくなります。

 

これは,そもそも採用する際に,能力・技能が特定され,会社側もこれに見合った高い賃金を支払うことが前提とされますので,能力・技能を発揮できなければ,それだけで契約違反となるからです。

 

また,ジェネラリストのように,必ずしもチャンスを丁寧に与える必要もありません。そりゃ当然ですね。スペシャリストとして採用したので,能力が発揮できないので,一般社員でもできる簡単な仕事を与えなければならないのでは,「話が違うよ」ということです。

 

以上,なかなか微妙な判断も含まれますので,お悩みのかたは是非ご相談ください。

 

【参考ホームページ】

(市川船橋エリアにお住まいの方)

解雇のご相談(労働者の方) 

解雇のご相談(会社の方) 

(労働者で解雇にお困りの方)

能力附属で解雇できる?

不当解雇とどう戦うか?

(会社側で解雇や退職問題でお困りの方)

能力不足で解雇できる?

労働者が解雇を争う場合

 
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